60年ぶり、豊穣祈る 下鴨神社で御田植祭
写真
 早乙女姿の子どもたちが苗を植えた下鴨神社の御田植祭(30日午前10時20分
(京都市左京区)

 豊作を祈願する下鴨神社(京都市左京区)の御田植祭が30日、区内の田んぼで約60年ぶりに営まれ、早乙女姿の子どもたちが苗を植えた。戦後から途絶えていたが、休耕田を活用して復活した。

 下鴨神社によると、かつて神社には伊勢神宮に米を奉納する神田があったが、明治時代になくなった。1939年に一度再開したが、戦後の農地改革で消滅したという。神社青年会が神事復活に動き、旧社領地である上高野の休耕田(約660平方メートル)を地元農家から借り受けた。

 田植えには9~19歳の男女12人が参加。澄みわたった青空の下、笛の音が響く神田で、子どもたちがキヌヒカリの苗を植えた。足元がぬかるみ、転びそうになる子どももいたが、豊作を願いながら丁寧に植えていった。

 下鴨神社青年会長の小松隆志さん(54)=左京区=は「子どもたちが自然に触れ合う機会が少なくなっている今、神事復活の意義は大きい。今後も続けていきたい」と話した。秋には収穫祭を開き、伊勢神宮に奉納する。

京都新聞 抜粋

                             (2010年5月31日  読売新聞)   抜粋
60年ぶり御田植祭 下鴨神社

神田に苗を植える早乙女ら
(左京区で)

 稲作の豊穣(ほうじょう)を祈り、下鴨神社(左京区)は30日、御田植祭(おたうえさい)を旧社領地である同区上高野口小森町の神田で行った。稲は秋に収穫し、同神社と伊勢神宮に奉献する。

 祭りは、1950年頃に途絶え、今回、約60年ぶりに行われた。

 祭壇に向け、祝詞を奏上した後、約200坪の神田で、まず早乙女ら12人が手で苗を植え、その後、同神社の関係者が残りを機械で植えた。参加した左京区の大学2年、新田彩花さん(19)は「神さまにお供えするものなので、元気に育ってほしいという気持ちを込めて、丁寧に植えました」と話していた。

下鴨神社御田植祭について

概要

 賀茂御祖神社(下鴨神社)及び神宮(伊勢神宮)への新穀奉献を目的として、下鴨神社青年会では下鴨神社にかつてあった御戸代(神田・神饌田)を復興し稲作を計画した。これにともない地元の協力を得て約60年ぶりに御田植祭を斎行し稲の豊穣を祈願する。神饌田は御蔭祭が行われる御蔭神社のそば近く、下鴨神社の旧社領地でもある上高野郷の農地を青年会が借り受け、青年会会員により奉耕する。

 尚、御田植祭は、下鴨神社青年会・下鴨神社ボーイスカウト・ガールスカウト等が早乙女となり田植えを行い、下鴨神社神職により執り行われる。

由来

 下鴨神社の御戸代(神饌田)は往昔朝廷より寄進されていた歴史を有する。当神社『諸国神戸記』に寛治元年(1087)11月25日太政官符をもって荘園が設けられたことが記載されているように全国各地に荘園や御厨が設けられた。しかしながら、時代を下るにつれそれらは次第に減少し、遂には明治に至り消滅した。その後、皇紀2600年(1940)記念事業の一つとして、氏子により昭和14年(1939)岩倉花園の地に神饌田が復興され、往事と同じく御田植祭が行われ、収穫の新穀が神前に供えられたが、戦後の農地改革によりこの伝統行事も廃絶のやむなきに到り今日に及んでいる。

 今回、下鴨神社青年会が中心となり地元上高野の二股氏の協力を得て、伝統の神饌田が復興した。

日時                           

 平成22年5月30日午前9時30分

場所                           

 京都市左京区上高野口小森町

スケジュール                        

  9:30  御田植祭
 10:30  田植開始
 12:00頃 終了予定
                           賀茂御祖神社(下鴨神社)
                           京都市左京区下鴨泉川町59